2018年03月28日
かごいまん「外来語」

「ギッタ跳びをするがー」
ギッタはゴムのことです。ゴム毬のことはギッタマイといいます。ところが「消しゴム」のことは「消しギッタ」とはいわないし、「ゴム風船」のことも「ギッタ風船」とはいわない。ということは「消しゴム」や「ゴム風船」などがはやりだした時には、もはや、ギッタということばは亡んでいたということだろうか?
ところが、意外なことにギッタは現在でも使われていた。その例証に南日本新聞「黒ヂョカ」欄に、次の二つの小噺がある。
一つの題は「いっぽギッタ」。ゴルフ仲間の打ち上げ焼肉パーティーでの話。さる人が「こんギッタ(ホルモン焼)はうんまか」といって、食欲旺盛。ところが、そのうち、うまく肉をかみきれないで、口をモグモグ。まさか吐き出すわけにもいかず、ようやく引き上げる段になって、外でペッ。よく見ると、それは肉ではなく、輪ゴム。外の連中いわく「これが本当のいっぽギッタじゃ」。
いっぽギッタとは頑固な偏屈者のことだそうです。
次は「徳之島の『新米』騒動」。警察署員の婦人連、集まっておにぎりづくり。正月の子どもの遊びが話題となるや、美人ぞろいの奥さんの一人、「よくギッタマイ(ごむまり)で遊びよったねぇ」と懐かしそう。「そうそう、ギッタマイがあった」と、一座にぎやか。そのグループの一人、埼玉県出身で標準語しか使えない、新米婦人、おにぎりの形を整えながら、伊佐米は聞いたことがあるけど、新米なんだろうかと思案。真顔で「そのギッタマイという新米は、徳之島ではどこで売ってるんですか」。はじめはポカンとしていた先輩たち。間もなく、その新米夫人の新米違いとわかり爆笑ひとしきり。
薩摩狂句から一句
緩(ゆ)りギッタ パンツを握っ 尻(げ)走っ
おそらく、小学校の運動会でもあろうか。微笑ましい光景である。
このギッタの由来は、英語でマレー群島に産するゴムをグッタペルチャといい、本来はマレー語。それを略してグッタと言い、さらになまってギッタと伝わったらしい。
そのほか、かごしまの『外来語』として
「ヂャン」、「ジャンボ」、「バンコ」など。
「かごしま語の世界」 牛留致義 著 より
Posted by のりP(顔は本人ではありません) at 10:07│Comments(0)