2018年03月12日
前と後

明治維新の前と後とで世の中はどんなにかわったのか。
江戸時代は士農工商、すなわち武士.農民.職人.商人の身分がきびしく定められていた。そして武士の家に生まれたら武士、商人の家に生まれたら商人と、生まれたとたんにその人の一生の方向がきめられ、特別な場合以外それを変えることはできなかった。
全国民の5,6パーセントぐらいの武士階級が支配者で、かれらは名字帯刀の特権をもっていて、農工商はただこれに従うだけであった。
明治維新以後になると士農工商の身分は廃止され、苗字使用の自由や職業選択の自由があたえられ、また軍隊ができて軍事.国防を代々世襲した武士はいなくなり、国民すべてが兵役に服するようになった。さらに明治二十二,三年になると憲法と議会ができて、だんだん旧武士階級以外の者にも国の政治に参加する道がひらかれてくる。また裁判には弁護人(はじめ代言人といった)をつけることもできるようになった。さらに人民は国内旅行も自由にできるようになった。これまで人民は日本国内でも藩外への旅行には旅券の相当する手形が必要で、今日の外国旅行なみだったのである。今日の我々から見ると、な〜んだと思われるようなことが、明治維新以前の社会ではほとんど自由にできなかったのである。それを今日の状態に切りひらく糸口が明治維新であった。
これから考えて明治維新は我々の生活に大変大きな関係のあることであり、そのような歴史的大変革にリーダーの役割を果たすということが、どんなに大切なことであるかということがわかると思います。
明治維新のような、二百六十年以上も続いた徳川体制をひっくり返すような政治社会の大きな変革、それはフランス革命にまさるともおとらない大事業であるが、その実現はけっして平坦なものではなかった。ジグザグのコースをたどりながらようやく実現したのである。でもそれはその後の変革の出発点としてなくてはならないものであり、この関門をくぐらなかったら近代的な日本への転換はなかった、と言わなければならないものである。

Posted by のりP(顔は本人ではありません) at 11:13│Comments(0)