2017年12月28日
栗野のにんじん(1)

ニンジンはもともと地中海や、小アジアあたりの原産といわれ、我が国に渡来したのは江戸時代、約三百年ぐらい前といわれる。
江戸中期から明治にかけて、坊津ではカツオやブリがたくさんとれ、この魚を鹿児島の市場に運ぶのが、栗ヶ野の人々の仕事であった。
栗ヶ野の人々は馬を飼い、馬の両背に駄テゴをつけて、これに魚を入れて運搬した。明治の頃には片方18キロずつの魚を積んで夕方坊を出発、途中川辺の街を通り過ぎると野崎の「オトメ茶屋」に立ち寄り、ここで五銭はらって飯を炊いてもらい、人も馬も腹ごしらえをし休息した。
馬には道中食として、積んできたニンジンを腹いっぱい食べさせた。そして夜の川辺峠を乗り越えて、明け方に鹿児島や谷山の目的地に着いた。つまり、馬の道中食として、ニンジンが必要だったので、ニンジン作りに励んだという。
もひとつの理由として、自分たちの野菜としてはもとより、坊や枕崎に売りに行き日銭を稼いだ。頭上運搬のカンメゾケ、肩でになうイネゾケにニンジンや他の野菜を入れて売りに行った。
地下たびなどない時代に山ゾイを履いて、坊の浜から谷山まで夜通し歩いて錢といをし、当時はカライモが常食で、アワ飯、盆と正月、そして葬式の時ぐらいのコメご飯、子供など野菜売りに坊によく行った。カンメゾケを頭に乗せて売りあるく、野菜はナス、里いも、モイデコンだった。

Posted by のりP(顔は本人ではありません) at 12:59│Comments(1)
この記事へのコメント
まぁ!美味しそうな人参ですね。
都会の人参と違って、栄養がたっぷりありそうやわ。
人参ジュースを作るわが家に、羨ましい素材です。
都会の人参と違って、栄養がたっぷりありそうやわ。
人参ジュースを作るわが家に、羨ましい素材です。
Posted by 垂井さん at 2017年12月29日 12:47